概要
今回実際に比較してみたニッパーは下記4点です。
①格安ニッパー
メーカー不明 \500程度のプラモデル用ニッパー
②プラモデル用両刃ニッパー
3.peaks ステンレス製ニッパー プラスチック製バネ付 130mm
③プラモデル用薄刃ニッパー
タミヤ クラフトツールシリーズ No.35 薄刃ニッパー
④プラモデル用片刃ニッパー
GodHand アルティメットニッパー5.0 プラモデル用工具 SPN-120

上記ニッパーを下記項目で比較しました。
1)各ニッパー形状比較(大きさ・形状)
2)各ニッパー切れ味比較
3)各ニッパー比較レビュー
比較結果の結論は下記になります。
①格安ニッパー
→ ゲートを切断することは可能だが、力が必要
②ステンレス製ニッパー(プラモデル用両刃ニッパー)
→ ランナー、ゲートを切断するだけであれば問題なし
③タミヤ 薄刃ニッパー
→ ゲートの隙間にも刃先を入れやすく、力も必要ないが、ニッパーのみでゲート処理することは不可
④GodHand アルティメットニッパー
→ パーツによってはニッパーのみでゲート処理することが可能
購入を検討するにあたって、その他のツールについては下記記事をご参照下さい。
形状比較(大きさ・刃先)

①格安ニッパー

全長は90mm程度で、手の大きさにもよりますが、持ち手の先端が母指球に当たります。
これだと長時間使用する場合、母指球がかなり痛くなってきます。

刃先形状ですが、刃厚が約2.6mmと厚く刃の角度もかなり大きいため、「切る」というよりも「ちぎる」感覚に近くなります。
②ステンレス製ニッパー(プラモデル用両刃ニッパー)

全長は120mm程度(仕様上は130mm)で、これくらいの大きさであれば手にも負担なく使用できると思います。
買った当時は、手のひらよりもおおきくて、ステンレスでメンテナンスフリー!と思って買っています。

格安ニッパーと比較してかなり薄くなります。ただ、刃先(パーツと直接当たる箇所)が若干丸くなっています。
実は10年以上ランナーを切っているため、それで丸くなった可能性は否めませんが。。。
③タミヤ 薄刃ニッパー

全長約110mmで、手の大きさにもよりますが手のひらにちょうど収まるサイズです。

刃先はかなり薄くなっており、よく切れそうですね。
また、接続部もリベット留めになっていないため、刃の噛合い精度も良くなっています。
ただ、これくらい薄くなってくるとランナーを切るのは無理そうです。
④GodHand アルティメットニッパー

全長約110mmで、タミヤ 薄刃ニッパーと同程度です。
注意点として、2014年頃に購入したもののため、多少仕様が変わっている箇所があるかもしれません。

刃の薄さはタミヤ 薄刃ニッパー以上で、細工用ナイフが付いているのか?って感じですね。
ただ、これだけ薄いと薄刃ニッパー以上に無理は禁物です。
切れ味比較

比較用のプラ棒は実際のプラモデルのゲートを模して、厚さ1.5mm×幅2.5mm程度に加工したガンプラのランナーを使用しています。
①格安ニッパー

今回の比較結果の中で1番断面が汚くなる…と思っていましたが、意外とそうでもありませんでした。
ただ、「切る」というよりは「ちぎる」感覚に近く、毎回切ったものがどこかへ飛んでいきます。
そのため、切った面を抉ってしまう可能性は最も高いと思います。
②ステンレス製ニッパー(プラモデル用両刃ニッパー)

今回の検証で一番断面が汚かったのがこちらになります。
10年以上ランナーを切らせてきたので、その影響もあると思いますが。。。
ただ、今まで問題なくランナーを切れているため、細工用ナイフでゲート処理する前提であれば問題なく使用できると思います。
③タミヤ 薄刃ニッパー

切った感覚としては、「スッ」と刃が入っていくため、長時間使用してもストレスなくゲート処理ができます。
ただし、これだけの薄刃でも断面に白化が発生してしまうため、ゲート跡を完全に無くしたい場合は細工用ナイフでの処理は必須です。
④GodHand アルティメットニッパー

今回の比較で圧倒的にキレイな断面となっています。7年くらい使ってこれですからね。。。
切った感覚としてもほとんど抵抗なく切ることができます。
まな板刃が当たっていた箇所が白化していますが、残ったゲートを薄くすることでほとんど発生しなくなります。
残っても爪や爪楊枝等で擦ることで、ほとんど消すことができます。
ただ、まっすぐにしか切れないため、曲面等についているゲートは細工用ナイフでの処理は必要になります。
ニッパー比較レビュー

格安ニッパー(¥500程度)
・安い
・小さいものが多く、切れ味が悪いため手への負荷が大きい
・ゲート跡をキレイに仕上げるならカッター、ナイフによる処理は必須
プラモデル用両刃ニッパー(¥1,000~¥2,000程度)
・コストパフォーマンスが高い
・ランナー(太さ3mmのプラ棒)を切断できる
・ゲート跡をキレイに仕上げるのであればカッター、ナイフによる処理は必須
プラモデル用薄刃ニッパー(¥2,000~¥3,000程度)
・刃が薄いため、狭いランナーゲート間でも切ることができる
・ニッパーだけでも及第点程度のゲート処理をすることができる
・切れ味が良く力が要らないので、手への負担が小さい
・ランナーは基本的に切ることができない(切れるが切れ味が大きく落ちる)
・ゲート跡を完全に無くすのであればカッター、ナイフによる処理が必要
プラモデル用片刃ニッパー(¥3,000~¥5,000程度)
・カッターやナイフで処理した様にゲートを切ることができるため、ゲート処理をナイフ等でしなくてもよくなるため、作業時間の短縮になる
・切れ味が良く力が要らないので、手への負担が小さい
・メーカーによっては再研磨等のサービスが受けられる
・他ニッパーと比較し高価格帯
・ゲート以外切ることができない(ランナーを切断すると破損する可能性あり)
・使い方に慣れていない場合、性能を発揮できないばかりか破損させてしまう可能性がある(捩じる等の使い方はNG)
・ゲートが曲線部にある場合等、全てのゲートを綺麗に切れる訳ではない
・入手性が悪い(売り切れやすい)
結論
始めてプラモデル用ニッパーを買うなら、下記目的に合わせて購入することをおススメします!
・続けられるか分からない、将来的には片刃ニッパーを使ってみたい!
→プラモデル用両刃ニッパー(¥1,000~¥2,000程度)から自分の手の大きさに合ったもので、ランナーまで切断できるニッパーを選ぶ
上記ニッパーの中でも更に迷った場合は、「ゴッドハンド 普通のニッパー プラモデル用工具 プラニッパー GH-PN-125」がおススメです!
※実際のレビューはできていませんが、3mmランナーの切断が可能であることが明記されており、比較的低価格であることからおススメさせて頂いています。
・最初からストレスなくプラモデル制作をしたい!
→プラモデル用薄刃ニッパー(¥2,000~¥3,000程度)から自分の手の大きさに合ったものを選ぶ
上記ニッパーの中でも更に迷った場合は、「タミヤ クラフトツールシリーズ No.35 薄刃ニッパー」がおススメです!
今回の記事がプラモデル用ニッパー選択の一助になれば幸いです!
それでは皆さんもよいプラモ制作ライフを!