【道具レビュー】各種ヤスリの表面粗さ比較&レビュー
はじめに
皆さんはプラモデル制作の際にヤスリ掛けはされているでしょうか?
ボクはエッジ出しから、パテを盛った後の成形、塗装前の表面処理、塗装後の鏡面処理etc・・・とヤスリ掛けをしまくっています。
ボクにとってプラモデル制作は、実質ヤスリ掛けといってもいいかもしれません(笑)
プラモデル制作の効率化を図るためにも、今まで様々なヤスリに手を出してきました。
その中でこんな疑問を持っていました。
どこまでヤスリ掛けをすればよいのか?
金属ヤスリで仕上がる表面粗さはどの程度なのか?
と・・・
そこで、ヤスリの追加購入を機に各種ヤスリの比較検証を実施してみました!
今回の記事は下記目的の方にご参考頂けると思います。
・各種ヤスリで仕上がる表面粗さの状態を知りたい方
・どこまでヤスリ掛けをするか参考にされたい方
・各種ヤスリの使用感を知りたい方
ボクのやりたいことを詰め込んだ結果、大変長い記事になってしまいました(汗)
時短される場合は目次をご活用頂き、「表面粗さランク付け結果」と気になるヤスリのレビューをご覧頂く形がよいと思います。
それでは本編へどうぞ!
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比較対象ヤスリ&比較検証方法
比較対象ヤスリ
今回比較検証に使用したヤスリは下記の通りです。
・ゴッドハンド 神ヤス!(#240・#400・#600・#800)
・ゴッドハンド 神ヤス!高番手(#2000・#4000・#6000・#8000・#10000)
・ノーブランド 耐水ペーパー(#400・#600・#800・#1000・#1500・#2000)
・ゴッドハンド GH-IY-M ミニヤスリカスタム(中目・細目)
・ゴッドハンド GH-KF-5-S かまぼこヤスリ 単目 5mm幅(細目)
・ゴッドハンド GH-ES-90 エッジ出しヤスリ
・ゴッドハンド GH-KZ-A・GH-KZ-C けずる刃(荒目・中目)
・ゴッドハンド GDY-100 ダイヤモンドヤスリ(#400)
・タミヤ 74059 クラフトヤスリPRO(平10mm幅)
・タミヤ 74046 ベーシックヤスリセット(中目ダブルカット)
・スジボリ堂 ONG040・ONG030 ハンディ鉄ヤスリ二代目鬼斬(粗目・細目)
・スジボリ堂 ONG050 薄刃鬼斬
・クレオス MF05 匠之鑢・極 玄人 刀刃
我ながら様々なヤスリを持っていますが、今まで感覚的に使い分けていました(汗)
そこで、改めて各種ヤスリの特徴をまとめていきます。
比較検証方法
比較検証方法は下記3パターンです。
1)プラ板ヤスリ掛け+サフ&ブラック塗装(ほぼ全てのヤスリが対象)
2)ツヤ有りクリア塗装面ヤスリ掛け(#800以上)
3)ガンプラパーツエッジ出し+サフ塗装(一部金属ヤスリ)
1)プラ板ヤスリ掛け+サフ&ブラック塗装
下記手順で比較検証しています。
①タミヤ プラ板(2mm厚)を切出し(ヤスリ掛けにはフィルム保護面を使用)
②ヤスリ掛けしやすい様に、木板に貼付けてプラ板をヤスリ掛け
※方向性がないヤスリは水磨ぎしながら円を描く様に、方向性のあるヤスリは十字になる様に交互にヤスリ掛け
③一部金属ヤスリは削り出し形状を確認するため、プラ板側面をヤスリ掛け
④研削面(ヤスリ掛けした面)を「クレオス HSF01 水性サーフェイサー1000」および「クレオス H2 ブラック」で塗装
⑤ヤスリ掛け後、および塗装後の状態を確認(塗装後はライト強めと影強めのライティング)
ボクはエアブラシによる塗装をすることが多いため、研削面が塗装後にどうなるのかを検証することが目的です。
今後は水性アクリル塗料をメインにしたいと考えているため、水性ホビーカラーを使用しています。
しかし、初めてのエアブラシ塗装のため塗装面が荒れてしまいました(言い訳)
2)ツヤ有りクリア塗装面ヤスリ掛け
高番手のヤスリ(#800以上)は下記手順の比較検証もしています。
①「ガイアノーツ EX03 EX-クリアー」のツヤ有り塗装したカーモデルをヤスリ掛け
②マスキングによる段差、塗装の波打ち状態をヤスリ掛け前後で確認
1)による比較検証では高番手ヤスリの比較が難しかったため、実際に研出しを行い比較しました。
クリアの乾燥待ちに検証していたため、ちょうどよかったです(笑)
3)ガンプラパーツエッジ出し+サフ塗装
一部金属ヤスリは下記手順の比較検証もしています。
①ガンプラパーツの面をエッジ出し
※ガンプラパーツは20年以上経過のジャンク品、ヤスリ掛けは全て空研ぎ
②ヤスリ面を「クレオス HSF01 水性サーフェイサー1000」で塗装
金属ヤスリはパーツのエッジ出しに使用することが多いため、実際にエッジ出しを行い比較しました。
ケチって古いジャンクパーツを使用したので、劣化していそうな気もしますが・・・
表面粗さランク付け結果
各種比較検証を行い、表面粗さをランク付けした結果が上記図の通りです。
各種記号の意味は下記の通りです。
G:ゴッドハンド
T:タミヤ
S:スジボリ堂
C:クレオス
#:ヤスリ番手
・あくまでも個人の感覚による定性的な評価(粗さ測定器は持っていないため・・・)
・一部金属ヤスリの角によるキズの影響は無視
新しいヤスリの追加や作業を重ねるにつれ、今後ランクが変わることがあります。
都度更新しますが、ご了承の程よろしくお願い致します。
その他、特記事項は下記の通りです。
・サフを使用しツヤ消し仕上げの場合、#600仕上げでもキズは目立たない
・サフを使用しツヤ有り仕上げの場合、#800仕上げからヤスリ掛けによるキズよりも、塗装による荒れが目立つ
・塗装面のヤスリ掛けは#1000辺りからが使いやすい
・#6000辺りから、塗装による荒れを無くすことが難しくなる(仕上用)
各種ヤスリレビュー
ゴッドハンド 神ヤス!
神ヤス!の特徴は下記の通りです。
・使用されている布ヤスリの品質が高く、目詰まりしにくい
・スポンジと布ヤスリがはがれにくい
・切り分けられており、使いやすい大きさにしやすい(大判サイズもあり)
・スポンジ厚が2mm・3mm・5mm・10mmとあり、使い分けができる
・消耗品だが価格がお高め
使用されたことのある方が多いと思うので、詳細説明は割愛致します。
ちなみに#○○という番手ですが、「1平方センチメートル当たりの研磨剤粒子数」を表しています。
そのため、数字が大きいと粗さが小さくなっていきます。
神ヤス!#240
#240ですが、塗装する前でも分かる程研削面が荒れます。(撮影が下手で写真では分かりませんが・・・)
神ヤス!#400
比較的キレイですが、それでも#400で仕上げることは難しいですね。
ちなみにボクは、#400からヤスリ掛けを開始することが多いです。
神ヤス!#600
#600になるとツヤ有りでは若干キズが見えますが、ツヤ消しであれば分かりませんでした。
サフ使用のツヤ消し仕上げであれば、#600フィニッシュでも良さそうです。
神ヤス!#800
#800になるとツヤ有りでもキズが見えなくなりました。
それよりも、塗装による荒れの方が目立ちますね(汗)
サフ込みだとキズが分からなくなったため、ツヤ有りクリア面もヤスリ掛けしました。
さすがに#800だとキズが大きく、塗装面のヤスリ掛けに使用することは難しいですね。
【定価】¥605(税込み)
【定価】¥605(税込み)
ゴッドハンド 神ヤス! 高番手
神ヤス!の高番手セットになります。
特徴は神ヤス!と同じため割愛致します。
また、プラ板での比較検証では差異が無かったため、各コメントはツヤ有りクリア面のヤスリ掛け結果のみとします。
最初は比較対象では無かったのですが、気が付いたら検証していました(笑)
神ヤス!#2000
#2000は思いの外キズがつきます。
キズが大きいため今まで塗装面のヤスリ掛けにあまり使用していませんでした。
しかし、改めて使用してみてマスキングによる段差やデカールによる段差を消すのがとても楽でした。
これからは、段差が大きい箇所には積極的に使っていきたいですね。
神ヤス!#4000
#4000は、波打った塗装面を簡単に平滑にすることができます。
今のところ、「大きな段差は#2000で消して、全体を#4000でヤスリ掛けする」が、ボクの中での最適解ですね。
神ヤス!#6000
#6000になると、波打った塗装面でもすぐには平滑にならないですね。
ただ、まだヤスリ掛けによるキズは目視で分かります。
神ヤス!#8000
#8000になると、ヤスリ掛けによるキズがかなり分かりにくいです。
神ヤス!#10000
#10000になると、ヤスリ掛けによるキズが目視では確認できませんでした。
上記写真のヤスリ掛け後は、本当に#10000でヤスリ掛けした後ですよ(笑)
この番手になると、ヤスリ掛けによるキズをほとんど無くすことができそうです。
【定価】¥715(税込み)
ノーブランド 耐水ペーパー
ボクがずっと愛用している、ホームセンターで購入できる耐水ペーパーです。
耐水ペーパーの特徴は下記の通りです。
・非常に安価(約A4サイズで¥60/枚 程度)
・水磨ぎしない場合、目が詰まりやすい
・自分で切り分けする必要あり
プラモデル制作における耐水ペーパーといえば「タミヤ フィニッシングペーパー」ですが、実はあまり使っていません。(使ったことはありますが)
価格もありますが、今までの生活でホームセンターよりプラモ屋が近くにあったことがないが一番の理由ですね。
消耗品は、いつでも入手できることが大切ですからね~
耐水ペーパー #400
#400ですが、神ヤス!の#400とほとんど同じでした。
ボクはこの#400からヤスリ掛けをしています。
耐水ペーパー #600
神ヤス!#600と同じで、ツヤ有りでは若干キズが見えますが、ツヤ消しであれば分かりませんでした。
サフ使用のツヤ消し仕上げであれば、#600フィニッシュでも良さそうです。
耐水ペーパー #800
#800になるとツヤ有りでもキズが見えなくなりました。
サフ込みだとキズが分からなくなったため、ツヤ有りクリア面もヤスリ掛けしました。
神ヤス!#800と比較し、気持ちキズが小さい気がします。
それでもキズが大きく、塗装面のヤスリ掛けに使用することは難しいですね。
耐水ペーパー #1000
#1000は神ヤス!#2000と似た使用感です。
砥粒の大きさは異なりますが、砥粒の材質等で似た使用感になっているのかもしれませんね。
耐水ペーパー #1500
#1500と#2000はプラ板による検証を行っていません。
塗装中のホコリ除去が主なお仕事でしたからね・・・
キズの感覚は神ヤス!#2000と#4000の間程度です。
しかし、個人的に塗装面のヤスリ掛けは曲面が多いため、スポンジヤスリの方が使いやすいですね。
耐水ペーパー #2000
#2000になると神ヤス!#6000程ではありませんが、かなりキズが分かりにくいです。
今後平面の塗装面ヤスリ掛けをする機会が多くなれば、使用するかもしれませんね。
ゴッドハンド ミニヤスリカスタム
ゴッドハンド ミニヤスリカスタムの特徴は下記の通りです。
・手にフィットし、とても持ちやすい
・両面が中目と細目に分かれており、使い分けできる
・表面粗さは耐水ペーパー#400と#600の間程度(角によるキズは無視する)
・単目のためプラくずを除去しやすい
・側面にヤスリ面はない
・研削力はかなり低い
追加購入したヤスリのひとつですが、まず感じたことはとても持ちやすいです。
項目下写真の通り、手にフィットします。
中目と細目のヤスリ面があり、ひとつで色々な局面に対応できそうです。
ただ、かなり研削力が低いため、個人的には器用貧乏感が強いです(汗)
中目
ヤスリ面は単目で、溝幅は0.5mm程度です。
単目なので、詰まったプラくずを簡単に落とすことができます。
金属ヤスリにしては研削面がかなりキレイで、#400程度の印象です。
ただし研削力はかなり低いです。
プラ板の側面をヤスリ掛けしていますが、なかなか食いつかずこの程度の段差をつけるのにも苦労しました。
パーツもエッジ出ししていますが、回数が多く若干面がダレています。
細目
ヤスリ面は単目で、溝幅は0.3mm程度です。
研削面はかなりキレイで、ヤスリの角によるキズを付けなければツヤ消しフィニッシュできそうです。
広い面ではなく、狭い面であれば問題なさそうですね。
【定価】¥2,970(税込み)
ゴッドハンド かまぼこヤスリ 単目 5mm幅
ゴッドハンド かまぼこヤスリの特徴は下記の通りです。
・ヤスリ面はミニヤスリカスタムと同等
・逆エッジ出しがしやすい
・ものすごく持ちにくい
追加購入したヤスリのひとつで、逆エッジ出しがしやすいです。(後述)
1番の印象はものすごく持ちにくいということです。
ウワサには聞いていましたが、ここまでとは・・・
5mm径プラ棒を項目下写真の様に持って頂ければ、感覚が分かるかと思います。
ただ、強い力でヤスリ掛けできない様にわざと持ちにくい形にしているらしいです。
総じて、逆エッジ出し専用ヤスリという印象です。
細目
ヤスリ面は単目で溝幅は0.3mm程度と、ミニヤスリカスタムと同等です。
中目は購入していませんが、ミニヤスリカスタム中目のヤスリ面と同じと考えてよさそうです。
ミニヤスリカスタムと同等のヤスリ面となるはずですが・・・
最初は持ち方に慣れずに、キズを付けまくってしまいました(汗)
普段いかに力を入れ過ぎているかが分かりますね・・・
理論上はキレイにヤスリ掛けできますが、かまぼこ型で角がするどいため、失敗した際のダメージが大きいです。
側面もヤスリ掛けしていますが、ミニヤスリカスタムと同じでこの程度の段差をつけるのにも苦労しました。
逆エッジ出し
特徴のひとつでもあるため、実際に逆エッジ出しを行いました。
ヤスリ掛け前は逆エッジが丸まっていることが分かります。
ヤスリ掛けをした後の状態です。
比較のため、側面が垂直のミニヤスリカスタムも使用しました。
ミニヤスリカスタムは垂直に削れていますが、かまぼこヤスリはスジ彫りした様な状態にすることができました。
切削力は低いですが、丁寧にヤスリ掛けを行えばキレイな面にすることができるため、ちょうどいいかもしれません。
サフを塗装した後の状態です。
若干彫りが埋まりましたが、追加のスジ彫りもしやすいと思います。
丁寧な作業が要求されますが、逆エッジ出しをする上では中々使い出のあるヤスリになりそうです。
【定価】¥3,025(税込み)
ゴッドハンド エッジ出しヤスリ
ゴッドハンド エッジ出しヤスリの特徴は下記の通りです。
・パーツの平面を出しやすい
・表面粗さは耐水ペーパー#400と#600の間程度
・目の方向を気にせずヤスリ掛けすることができる(ただし往復掛けは不可)
・目詰まりしやすく、目詰まりの除去が難しい(目詰まりした際はラッカー溶剤にドブ漬け)
追加購入したヤスリのひとつです。
当て板した耐水ペーパーと似た感覚でヤスリ掛けすることができるのですが、変形しにくいため平面を出しやすいです。
ゲート跡の処理にもよいかもしれません。
ただし目詰まりしやすく、目詰まりの除去が難しいのがマイナスですね。
ラッカー溶剤に漬け込むしかなさそうです。
水研ぎしましたが、効果があるのかないのかよく分かりませんでした。
ヤスリ面は細かい突起があり、触った感覚は耐水ペーパー等に近いです。
ただ、目詰まりの除去が難しく、歯ブラシで擦った程度ではなかなか落ちませんでした。
研削面はかなりキレイで、耐水ペーパー#400と#600の間程度の印象です。
パーツのエッジ出しもしてみましたが、こちらはかなり荒れてしまいました。
改めてメーカーの説明を確認すると、往復掛けでは思わぬキズが付きやすいとのことです。
がっつり往復掛けしてましたわ・・・
これだからいつも説明書をちゃんと読めと(以下略)
【定価】¥3,300(税込み)
ゴッドハンド けずる刃
ゴッドハンド けずる刃の特徴は下記の通りです。
・研削力が高い
・目の方向を気にせずヤスリ掛けすることができる
・表面粗さはかなり粗い
・目詰まりは除去しにくい(目詰まりした際はラッカー溶剤にドブ漬け)
新しく追加購入したヤスリになります。
項目下写真の様に、つまむ様に持つ形になります。
切削面がかなり粗いため、平面にするのであればタミヤ クラフトヤスリPROやスジボリ堂 二代目鬼斬の方が使いやすい印象ですね(汗)
使い方が悪いのかもしれませんが・・・
そのため、パーツ形状を変更する際の大まかな形出しに向いていると思います。
切削力がかなり高いため、ヤスリで様々な形出しをする機会が多い方は作業効率向上に繋がりそうです。
荒目
ヤスリ面はかなり粗い突起があります。
目が大きい分、歯ブラシ等である程度目詰まりを落とせますが、完全にキレイにするためにはラッカー溶剤ドブ漬けが必須です。
表面粗さですが、今回の比較検証で最も粗かったです。
プラ板の端がギザギザになっていることがお分かり頂けるでしょうか?
パーツエッジ出しも行っていますが、エッジ出しには研削力がオーバースペックですね。
形状を変更する大まかな形出しにはよさそうです。
中目
荒目程ではありませんが、ヤスリ面は粗い突起があります。
荒目同様、歯ブラシ等である程度目詰まりを落とせますが、完全にキレイにするためにはラッカー溶剤ドブ漬けが必須です。
荒目程ではありませんが、表面粗さはかなり粗いです。
中目でもプラ板の端が荒れています。
中目でも、エッジ出しには研削力がオーバースペックの印象です。
形状を変更する大まかな形出しにはよさそうです。
【定価】GH-KZ-A:¥3,630(税込み)
【定価】GH-KZ-C:¥3,300(税込み)
ゴッドハンド ダイヤモンドヤスリ
ゴッドハンド ダイヤモンドヤスリの特徴は下記の通りです。
・パーツのエッジ出しがしやすい
・側面もヤスリとして使用でき、細い箇所のヤスリ掛けもできる
・当て板した耐水ペーパーの様な使用感
・表面粗さは耐水ペーパー#400と#600の間程度
・水研ぎ専用(空研ぎするとすぐに詰まる)
・目詰まりは除去しにくい(目詰まりした際はラッカー溶剤にドブ漬け)
精度を追求した鋼材全面に、ダイヤモンドが電着されています。
エッジ出しはもちろん、側面も使えるので細かい箇所のヤスリ掛けにも使用できます。
プラスチックだけでなく、金属の成形も可能です。
使用感は当て板した耐水ペーパー、または変形しない神ヤス!です。
水研ぎであれば、体感神ヤス!程度の目詰まりのしにくさです。
個人的に、エッジ出しで全幅の信頼を置いているヤスリになります。
耐水ペーパーの様に、ダイヤモンドがランダムに電着しています。
ゴッドハンドニッパーの製造時に使用する磨材と、同じダイヤモンドが使用されているらしいです。
表面粗さは#600の耐水ペーパーと同程度の粗さでした。
サフ使用のツヤ消し仕上げであれば、このままフィニッシュでも良さそうです。
金属ヤスリでフィニッシュまで持っていけるのは、エッジ出しをする上でかなりのメリットになると思います。
パーツもヤスリ掛けしましたが、こちらはサフ塗装をしてもキズが残ってしまいました。
これは空研ぎによる影響と推定しています。
他の金属ヤスリも並行してヤスっていたため、空研ぎしていました。
そのため、ランク付けはプラ板による検証結果を採用しています。
このダイヤモンドヤスリですが、当時受注生産のみで現在販売していません。
値段が高く#400しか購入しませんでしたが、今思うと他の番手も購入すればよかったです(泣)
ゴッドハンドさん、もう販売はされないのでしょうか?
販売して頂ければ#220と#600は絶対に買います(泣)
タミヤ クラフトヤスリPRO
タミヤ クラフトヤスリPROの特徴は下記の通りです。
・平面にしやすく、ゲート跡の処理もしやすい
・研削力に対して表面粗さがキレイ
・目詰まりしにくい
・目詰まりはしにくいが、プラくずの除去はしにくい
研削力が高く、パーツの平面を出しやすいです。
表面粗さと研削力はほぼ比例関係にある印象ですが、このクラフトヤスリPROは研削力が高いにも関わらず表面粗さがキレイです。
取り回しもよく、ゲート跡のヤスリ掛けにも使いやすいと思います。
個人的に、平面を出すヤスリとしては二代目鬼斬と二分する性能だと思います。
唯一の欠点はプラくずの除去がものすごく面倒なことですね(汗)
目詰まり自体はあまりしないのですが、ヤスリ掛けした後に歯ブラシで擦っても擦ってもプラくずが引っ付いています。
静電気でも発生しているのか~?
ヤスリ面は単目で、溝幅は0.6mm程度です。
チップブレイカーという溝により、プラくずが排出されやすいです。
単目も波目となっており、横滑りが少ないです。
この特殊な形状で切削力とキレイさを両立していると思いますが、プラくずが中々落ちてくれないんですよね・・・
キズは残りますが、研削力があるにも関わらずこのキレイさはかなりスゴイと思います。
パーツのエッジ出しもお手の物です。
【定価】¥1,980(税込み)
タミヤ ベーシックヤスリセット
タミヤ ベーシックヤスリセットの特徴は下記の通りです。
・比較的安価で入手しやすい
・研削力が高い
・表面粗さはかなり粗い
・目詰まりしやすく、除去しにくい
模型屋さんによく置いてあり比較的安いため、最初に手に取る金属ヤスリになることが多いのではないでしょうか?(ボクはそうでした)
研削力は高いですが表面粗さはかなり粗いため、ゲート跡のヤスリ掛けには不向きだと思います。
総じて、手に取りやすいですが初心者の方向けではないと思います。
中目
ヤスリ自体の形状は、平型・半円型・丸型があります。
ヤスリ面は複目で溝幅は0.5mm程度となっています。
平型の側面は単目になっています。
研削力は高いですが、どうしても目詰まりしやすいです。
プラ板表面は平型、側面はそれぞれの形状でヤスリ掛けしています。
側面の溝は幅広いですが、この程度であればすぐに削れます。
しかし表面粗さはかなり粗いため、それぞれのヤスリ形状を活かした大まかな形出しがメインになるかと思います。
そのため、形状変更をしないと思われる初心者向けのヤスリではないと思います。
【定価】¥880(税込み)
スジボリ堂 二代目鬼斬 細目・粗目
スジボリ堂 二代目鬼斬の特徴は下記の通りです。
・広い面の平面出しに最適
・研削力が高い
・目詰まりするが、プラくずの除去は容易
・ヤスリ掛けする対象の視認性が悪い
個人的に、平面出し最強のヤスリだと思っています。(96neko調べ)
シールド(盾)の様な、広い範囲の平面出しも一瞬にして完了します。
スジ彫りや出っ張りを含め、ディテールを全てリセットするのもお手の物です。
目詰まりはしますが、歯ブラシ等でなでればすぐにプラくずが落ちるのも良い点です。
欠点としては、持ち方が独特でパーツの視認性が悪く、小さいパーツをヤスリ掛けするのが苦手です。
バイス等に固定してヤスリ掛けするのがよいですね。
後はヤスリ掛けが気持ち良すぎて、無駄に削ってしまいがちな点も欠点ですかね(笑)
粗目
ヤスリ面は単目で、溝幅は1.2mm程度です。
溝幅も広いため、プラくずはすぐに落とすことができます。
この程度の面であれば、すぐにヤスリ掛けが完了します。
さすがにキズが残りますが、すぐに平面出しが終わるのは魅力ですね。
パーツへのヤスリ掛けも、プラ板とほとんど遜色ありませんでした。
細目
ヤスリ面は単目で、溝幅は1.0mm程度です。
粗目と同様、プラくずはすぐに落とすことができます。
表面粗さも切削力も、体感は粗目と大きく変わらない印象です。
今まで、粗目と細目を気分で使い分けていましたからね(笑)
購入するのであれば、どちらか片方でいいかもしれません。
パーツへのヤスリ掛けも、プラ板とほとんど遜色ありませんでした。
【定価】¥2,090(税込み)
【定価】¥2,090(税込み)
スジボリ堂 薄刃鬼斬
スジボリ堂 薄刃鬼斬の特徴は下記の通りです。
・ヤスリが薄く、隙間でもヤスリ掛けすることができる
・面に対し垂直に当てやすい
・研削力に対して表面粗さがキレイ
・目詰まりするが、プラくずの除去は容易
薄刃鬼斬の特徴は、ヤスリ部込みでも厚さ1.2mmとしなる程薄いことです。
そのため、通常のヤスリでは入らない隙間もヤスリ掛けすることができます。
更に、しなるため多少角度がズレても面に対して垂直に当たりやすいです。
単目で切削力が高いにも関わらず、表面粗さもキレイと中々すごいヤツです。
ただ、思ったより隙間をサクサクヤスリ掛けしたい場面が少なく、持て余し気味ですね(汗)
ヤスリ面は単目で、溝幅は0.5mm程度です。
プラくずが詰まっても簡単に除去することができます。
研削力はかなり高く、側面の溝も簡単にヤスリ掛けすることができました。
表面粗さは#240の耐水ペーパー程度ですが、しなるため広い面だと角によるキズが付きやすいです。
【定価】¥1,650(税込み)
クレオス 匠之鑢・極 玄人 刀刃
クレオス匠之鑢・極 玄人 刀刃の特徴は下記の通りです。
・ほぼ溝彫り専門ヤスリ
・表面粗さは耐水ペーパー#400程度
・目詰まりの除去がしにくい
当時、「匠之鑢シリーズは気になるけど普通の形は持っているしな~、そうだ!変なヤスリを買おう!」で買ったような気がします(汗)
0.5~1.0mm程度の溝彫りをすることに特化したヤスリだと思います。
以前は奥まった箇所のヤスリ掛けに先端部を使用していましたが、爪楊枝ヤスリの存在を知ってしまったため、溝彫り専用となりました。
ものスゴく目詰まりしやすい訳ではありませんが、詰まると除去しにくいです。
ヤスリ面は、側面が複目、刃の部分が単目となっています。
溝幅は小さ過ぎて分かりませんでした(汗)
刃の厚さが0.5mm程度、背の厚さが0.5~1.5mm程度と刀の様な形状となっています。
背の部分にヤスリ面はありません。
溝彫りですが、台形状の溝を掘ることができます。
側面でプラ板全体をヤスリ掛けしましたが、思っていたより表面粗さはキレイでした。
しかし、形が斜めになっているためヤスリ掛けはしにくいです。
右側に盛大なキズが付いていますが、これはわざと刃の部分で削っています。
安定せずにただ引っかいた様なキズになってしまいましたが(汗)
個人的には、上記写真の様な溝の成形に最適です。
かなりニッチなヤスリですが、溝を彫りたい!という方には需要があると思います。
商品リンクですが、Amazonでは取扱いがありませんでした。(2022/3/6時点)
お手数ですが、欲しいと思われた方は各自でご検索ください。
【定価】¥1,210(税込み)
金属ヤスリ管理方法
せっかくなので、ボクの金属ヤスリ管理方法についてもお伝えします。
金属ヤスリについては、使用後に油を塗布しています。
入れ物はゴッドハンドのものを使用していますが、中身はすでにホームセンターで購入できる工具用油になっています(笑)
全体が金属のヤスリは、ラッカー溶剤にドブ漬けしています。
これによりプラ詰まりが解消でき、サビ対策になります。
今まではダイヤモンドヤスリのみでしたが、急に増えました(笑)
入れる容器は、溶剤に強いポリプロピレン製(PP)をおススメします。
おわりに
ここまでご覧頂きありがとうございます。
長年やりたいと思っていた検証だったため、情熱が燃えに燃えてここまで長い記事になってしまいました。
しかし、ボクのボクによるボクのためのブログ・記事なので仕方ないです(笑)
検証しているうちに、他にもやりたいことが生じてしまいましたが、それはまた後日別の機会にしたいと思います。
また、今後買い増しするのであれば、美々鬼斬や匠之鑢シリーズ等の棒ヤスリ系が気になりますね~(節操無し)
自分自身のためではありましたが、検証したくても中々できない様な内容のため、この記事が誰かのお役に少しでも貢献できたのであれば幸いです。
それでは皆さんも楽しいプラモデル制作ライフを!