【制作記】「AOSHIMA 1/32 C-HR」ラップ塗装・鏡面研磨(2)
はじめに
前回制作計画を立てたクリスチーナ(C-HR)の制作を進めました。
といっても、実際に計画を立てたのは1年以上前なんですけどね(汗)
計画だけで満足し、他のプラモデルに浮気することはや1年・・・
やっと制作が進んだので、その過程をお伝えします!
今回は、ラップ塗装・蛍光塗装・マスキングによる塗分け・重塗りによる色分け等、様々な要素を詰込んでみました。
今回の記事は、下記目的の方にご参考になると思います。
・マスキング等を用いた重ね塗りを参考にしたい方
・ラップ塗装の方法について知りたい方
・鏡面研磨の方法について知りたい方
それでは本編をどうぞ!
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塗装前準備
塗装前の準備として、少しですが基本工作やディテールアップを施します。
楽プラ!の内装は簡素で座席裏に穴が開いているため、プラ板とラッカーパテで穴を封鎖しました。
段差が無くなる程度の簡単仕上げで終わらせています。
足元にも穴が開いているため、足元マットを模した芝生シートを貼ります。
0.3mmプラ板に百均芝生シートを貼付け、貼付けられる形状に切出しています。
その後、「H77 タイヤブラック(C)」を塗装しています。
よく見ると若干緑色が見えますが、じっくり見る場所でも無いので問題ないでしょう!
楽プラ!のボディですが、表面処理をせずともツヤがありとてもキレイです。
内装は簡素ですがボディはとてもキレイなため、楽プラ!はボディの塗装だけをしたい方にピッタリだと思います。
そのため、捨てサフで目立った縁にある多少のバリを処理するのみとしました。
ボディ塗装
マスキングによる塗分け塗装
まずは、マスキングする箇所のカラーを塗装します。
使用した色は下記になります。
「水性サーフェイサー1000(C)」→「GS03 サーフェイサーエヴォブラック(G)」→「SM01 スーパーファインシルバー(C)」→「101 蛍光ブルー(G)」
スーパーファインシルバーのメタリック塗料には、輝きを良くするために「T09 メタリックマスター」を溶剤として使用しています。
メタリック以外の塗装には、ツヤが出る様に「Mr.リターダーマイルド」を少量混ぜています。
ガイヤノーツの蛍光カラーは染料系塗料であるため、クリアカラーと似た様な使い方ができとても便利です。
しかし、下記注意点があります。
・蛍光塗料は塗料としての主張が強く、エアブラシ内に残留しやすい
→次に使用する塗料を黒等の影響を受けにくい塗料にする
・染料系塗料は、重ね塗りしてもにじみ出てくる可能性がある
→テストピース等で事前確認をする
・染料系塗料は経年劣化による退色が発生しやすい
→UVカットクリア等を使用する
乾燥後、マスキングをしていきます。
デザインしたい生き物のシルエットを紙に印刷し、マスキングテープを貼付け切出しています。
そのまま貼り付けてしまうとテープを剥すのが大変なので、事前に紙に切込みを入れておくと剥がしやすいです。
各面に切出したマスキングテープを貼っていきます。
躍動感が出る様に、面からはみ出す様に配置しました。
突起がある部分には、テープに穴を開けてマスキングの形状が変わらない様にしています。
ラップ塗装
マスキング後、ラップ塗装に移ります。
まず、ボディを一面「GX2 ウイノーブラック(C)」で塗装します。
蛍光ブルーでせっかくキャンディ塗装していますが、ためらわずに塗り潰しましょう(笑)
表現のスパイスとして、「EX06 蛍光クリア(G)」も上塗りします。
蛍光クリアを塗装した理由は後ほど!
いよいよラップ塗装です。
ラップ塗装はその名の通り、丸めたラップをスタンプの様に押付けて、ランダムな模様を付ける塗装になります。
ラップ塗装により、上記写真の様な模様を付けることができます。
ラップ塗装を実施する上で、ボクが感じたポイントは下記の通りです。
・ラップのシワが足りないと、キレイな模様になりにくい
→ラップはできるだけシワになる様に丸める
・塗料が大量に付いた状態の場合、キレイな模様になりにくい
→キムワイプ等へ先に押付け、付き具合を調整する
・奥まった箇所には押し付けにくい
→ドライブラシで細部は調整する
今回のラップ塗装における反省点は下記の通りです。
・修正出来る様に水性ホビーカラーの「H8 シルバー(C)」を使用
→粒子が粗いため、スーパーファインシルバー等の粒子が細かいメタリック塗料の方がよいと感じた
マスキングを剥すと上記写真の様になります。
ここで蛍光クリアを塗装していた理由を・・・
ブラックライトで照らすと、蛍光ブルーを塗装していた箇所が光ります。
ただ、それだけでは物足りなく感じていました。
そこで事前に蛍光クリアを塗装し、上からシルバーを塗装することでラップ塗装した箇所が隠れてブラックの部分が光らないか試してみました。
結果、シルバーでは隠すことができず全面光る結果となりました・・・残念(泣)
しかし、思惑とは異なりますが最終的にラップ塗装が光る結果となりました!
最終結果は、完成記事にまとめるのでお楽しみに!
中研ぎ
ラップ塗装も施したので、仕上のキャンディ塗装!
・・・といきたいところですが、ここで中研ぎを挟みます。
下記条件の場合、中研ぎをした方が良いと考えています。
・鏡面仕上げを目指す場合
・マスキングやデカールによる段差を無くしたい場合
・重塗りをする場合
上記写真はラップ塗装後に「EX03 EXクリア(G)」を塗装した状態です。
塗装面をよく見ると、塗装面の波打ちやマスキングによる段差があることが分かります。
このまま塗装してもよいですが、これらの段差を最後に修正しようとすると塗膜を貫通しやすくなる、気がします。
鏡面研磨の際いつも塗膜を貫通させているため、できるだけリスクを低くしようという工夫ですね(汗)
中研ぎ時のポイントは下記の通りです。
・クリアは平らにしたい箇所(マスキングによる段差等)を厚めに塗装する
・大きな段差は神ヤス!#2000、塗装面の波打ちは神ヤス!#4000で研磨
・奥まった箇所は爪楊枝ヤスリ(#1000~#2000の耐水ペーパーを先端に貼付けたもの)を使用
今回から爪楊枝ヤスリを使用してみましたが、余計な箇所を研磨しないため塗膜貫通が減少しました!
中研ぎ後は粉が大量に出るため、塗装に移る前に超音波洗浄機で洗浄しています。
粉が細かいので、想像以上に詰まっていることが多いです(汗)
ちなみに、番手による研磨面の違いはこちらの記事にまとめているので、ご興味があればご参考下さい。
仕上キャンディ塗装
仕上の前に、思いついてしまったので水中迷彩(迷彩ではないですが・・・)を施します。
「104 蛍光グリーン(G)」をフリーハンドのエアブラシで適当に塗装しました(笑)
思いつきなので仕方ないです(笑)
そして、塗装計画の発端となった「GP05 ウルトラマリンブルー(G)」を最後に塗装します。
仕上に「EX03 EXクリア(G)」を3回程度しています。
エアブラシでツヤ有り塗装を行う場合、各項目を下記の様にするとツヤが出る方向になります。
・塗料濃度→薄い(調色時に溶剤を多めにする)
・距離→近い(パーツとエアブラシの距離を近づける)
・圧力→高い(エアブラシの圧力を高くする)
・動かす速度→遅い(吹付け時の動きを遅くする)
・吐出量→多い(エアブラシのトリガーを大きく引く)
・乾燥速度→遅い(ブラシマスター等の溶剤を使用、リターダーマイルドの添加)
全ての項目をツヤ有りに寄せると、塗料が垂れて失敗の原因となります。
そのため、自分の調整しやすい項目に絞って塗装することで、失敗を少なくすることができると思います。
最後に、今回のボディ塗装における反省点は下記の通りです。
・マスキングによる蛍光ブルーの色分けを施したが、色分けが効かなかった
→蛍光グリーン等の色味が異なる塗料を選択、グラデーション塗装による変化を付ければよかった
想像以上に色分けが効かず、のっぺりとした色合いになってしまいました・・・
しかし、色自体はとてもキレイで試験的な要素を詰込むことができたため、悪くはなかったと思います!
その他パーツ塗装
その他、ボディ以外のパーツは下記の通り塗装し、仕上に「EX03 EXクリア(G)」を塗装しています。
【エンブレム】
・ボディカラーを活かすため、「X11 クロームシルバー(T)」を筆塗り
【ライト】
・フロントライトを「105 蛍光イエロー(G)」、バックライトを「103 蛍光レッド(G)」で塗装
【ホイール】
・「SM205 スーパーチタン2(C)」→「X1 ブラック(T)」を塗装後、フィニッシングマスターで拭取り
【ワイパー】
・「EX03 EXクリア(G)」を塗装後、「X1 ブラック(T)」を筆塗りし拭取り修正
内装、およびタイヤは下記の通り塗装し、仕上に「GX114 艶消しスーパースムースクリア(C)」を塗装しています。
・下地:「GS03 サーフェイサーエヴォブラック(G)」を塗装
・シート(灰色):「H77 タイヤブラック(C)」を塗装
・シート等(茶色):「X9 ブラウン(T)」を筆塗りし拭取り修正
・タイヤ:「H77 タイヤブラック(C)」を塗装
画面やエンブレム等、シールがある箇所はシールで済ませています。
塗分けるのは大変ですし内装はボクしか見ないので、楽にできるに越したことはないですからね!
鏡面研磨
1週間程度乾燥させた後、鏡面研磨に移ります。
マスキングによる段差は中研ぎで消しているため、下記手順で研磨しています。
・神ヤス!#4000→神ヤス!#6000→神ヤス!#8000→神ヤス!#10000
・タミヤ コンパウンド(粗目)→タミヤ コンパウンド(細目)→タミヤ コンパウンド(仕上げ目)
中研ぎを済ませているため、余計な力は入れず、角はできるだけ避けてなでる様に研磨します。
「美しいよ・・・クリスチーナ・・・」とか言いながら、愛情を込めてなでてください(笑)
また、研磨カスで傷つけてしまうため、番手を変える度に洗浄した方がよいと思います。
それでも塗膜貫通してしまった場合、クリア層までであればリタッチしやすいです。
ボクは筆でちょちょっと塗って、再研磨することで証拠隠滅を図ります(笑)
最後に、「タミヤ モデリングワックス」をすり込んで
おわりに
制作計画を立ててから、1年以上の時を経てやっと完成までこぎつけました。
すまねえ!クリスチーナ!
今回は、ボディの塗装に様々な要素を詰込んでみました。
想像通りにいかなかったところもありましたが、それも含めてよい経験になりました!
ポージングはとれませんが、撮影の仕方次第で様々な顔を魅せてくれる作品になったと思います!
それでは皆さんも楽しいカーモデル制作ライフを!
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